令和7年 年頭のご挨拶

令和7年  年頭のご挨拶
日本貨物運送協同組合連合会
会 長  御手洗 安

 新年明けましておめでとうございます。令和7年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。全国の会員連合会・協同組合並びに組合員の皆様におかれては、輝かしい新年を迎えられたことと、心よりお慶び申し上げます。また、かねてより日貨協連の事業運営に対し、格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。


 さて、昨年は「物流2024年問題」として「モノが運べなくなる」可能性が指摘されるなど、トラック輸送の重要性に対しあらためて社会的な認識が高まりました。一方、わが業界においては物流の効率化・労働生産性向上が至上命題となり、加えて、燃料価格や車両価格の高騰が続くなかで、労働環境改善に不可欠な賃金の確保に追われるなど、厳しい1年となりました。


 このような状況のなかで、日貨協連におきましても、働き方改革に迫られる中小トラック運送事業者の高速道路の活用を図るため、高速道路諸問題に積極的に取り組み、引き続き大口多頻度割引制度の拡充と恒久化をはじめ、ドライバーの労働環境改善のための施設充実に向けた要望活動を積極的に推進して参ります。


 また、昨今の高騰を続ける燃料価格問題に対しては、日貨協連の燃料共同価格交渉を積極的に進め、取扱量が引き続き増加傾向にあります。今後、政府の燃料油激変緩和事業の出口戦略により補助金の減額が進む中、スケールメリットを活かした共同購入制度の重要性が一層増すものと考えております。 


「求貨求車ネットワークWebKIT」につきましては、新物流効率化法の施行に向けた合同会議(国交省、経産省、農水省)において、「求貨求車システム等を活用した帰り荷の確保により実車率の向上を図ること」と提唱されており、働き方改革への対応に迫られるなかで、新たな輸送機会または輸送力確保のためのツールとして、さらなる活用が期待されております。また、成約運賃につきましても、新たな標準的な運賃に近づくよう対応に努めてまいります。


 保険事業につきましては、特に貨物保険がオールリスク・ワンパッケージ型で、掛金が安くリーズナブルな保険として契約数が順調に推移しており、多くの事業者の皆様からご好評を頂いているところです。全国トラック事業グル-プ保険につきましても、上乗せ保障プランの医療保険ともども加入者が順調に増加しており、今後も一層加入しやすい保険を目指して制度充実を図り、福利厚生の充実による人材の定着など、人手不足対策の一助となるよう努めて参ります。


 自動点呼機器につきましては、業務後自動点呼に加え、「業務前自動点呼先行実施要領」が発出され、業務前自動点呼の早期制度化に向けた取組を引き続き行うとともに、対応機種である「点呼+ロボット版Kebbi」と「点呼+デスクトップ版」の本格的な普及に向けた取り組みを鋭意推進してまいります。


 このほか事業用トラックドライバー研修テキストや学習支援サービス及び業務用血圧計などの販売事業につきましても、ドライバーの皆様の安全運転や健康維持に寄与できるよう、本年も取組みを進めて参ります。


 また、次世代経営者協議会につきましては、各種調査研究事業に取り組むこととしており、日貨協連の新しい知識と活力として事業の充実を図って参ります。


 今年の干支「乙巳(きのと・み)」です。「乙」は柔軟でしなやかに伸びる草木を表し、「困難があってもしなやかに前に進んでいく」「巳」は蛇を象徴し、「変化と再生」を表していると言われております。業界を取巻く現下の厳しい環境に、協同組合・連合会の相互扶助の精神のもとで、組織力で柔軟な心と知恵を持って、諸課題の克服に傾注して参る所存です。


 以上いくつか申し上げましたが、本年も日貨協連の副会長、理事、各委員会委員、会員の皆様並びに事務局とともに全国の会員連合会、協同組合が、今後ますます発展していきますようご祈念申し上げ、私の新年のご挨拶とさせていただきます。