令和8年 年頭のご挨拶

令和8年 年頭のご挨拶
日本貨物運送協同組合連合会
会 長 御手洗 安
新年明けましておめでとうございます。令和8年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。全国の会員連合会・協同組合並びに組合員の皆様におかれては、輝かしい新年を迎えられたことと、心よりお慶び申し上げます。また、かねてより日貨協連の事業運営に対し、格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、トラック運送業界は、ドライバー不足、働き方改革への対応などの課題に加え、物価高騰に対する価格転嫁ができないなど、依然として厳しい経営環境にあります。このような中、昨年5月には構造的な価格転嫁の実現を図るために下請法が改正されたほか、6月には、「許可の更新制度の導入」「適正原価を下回る運賃及び料金の制限」「委託次数の制限」「違法な白トラに係る荷主等の取締り」などを柱とした「トラック適正化二法」が成立しました。また、業界の長年の要望であった軽油引取税旧暫定税率が4月1日で廃止されることが決まるなど、昨年は、業界の課題解消に向けた新たな方向性が示された年となりました。
また、軽油引取税旧暫定税率の廃止に伴い、業界の安全対策や適正化事業対策などに活用されている運輸事業振興助成交付金の存続が懸念されていましたが、軽油引取税旧暫定税率が廃止される4月から5年間継続することを盛り込んだ運輸事業振興助成法の改正案が与野党会派の議員共同で昨年12月15日に衆議院に提出されました。
このような状況において、改めてトラック運送業界の生産性向上が一層の課題となりますが、日貨協連が運営する「求荷求車ネットワークWebKIT」は、実車率の向上による輸送の効率化や生産性の向上を図り、また新たな輸送機会を確保するためのツールとしてさらなる活用が期待されているところです。一方、業界の運賃が上昇しない要因として多重下請け構造の問題が指摘されていますが、法令に則った「委託次数の通知義務」や「委託次数の制限」の周知徹底を行うなど、成約運賃が標準的運賃に近づくよう運営に努めてまいります。
さらに、労働時間を削減し、生産性を高めるためには、高速道路の積極的な活用を欠かすことはできません。「利用しやすい道路料金」と「利用しやすい施設等の整備」の実現に向け、大口・多頻度割引制度の拡充と恒久化をはじめ、ドライバーの労働環境改善のための施設充実に向けた要望活動を積極的に展開してまいります。
次に、安全対策についてですが、トラック運送事業者にとって安全を確保するための取り組みは不可欠であり、事故防止に向けて安全対策を徹底することは、企業としての信用力を向上させることにも繋がります。特に点呼の徹底が求められるなかで、業務前自動点呼が本格的に開始されたことを受け、点呼機器のラインナップを充実させ、本格的な普及促進に向けた取り組みを鋭意推進してまいります。このほか事業用トラックドライバー研修テキストや学習支援サービス及び業務用血圧計などの販売事業につきましても、ドライバーの皆様の安全運転や健康維持に寄与できるよう、本年も取組みを進めてまいります。
日貨協連では様々な経済事業も行っていますが、燃料共同購入制度については、会員各社が少しでも安価な燃料が安定的に調達をできるよう、積極的な価格交渉を進め、取扱量も増加傾向にあります。9月に公正取引委員会が軽油価格カルテルの疑いで燃料販売会社8社に強制調査に入った旨の報道がありましたが、価格交渉にあたっては今後も断固とした姿勢で対応し、スケールメリットを活かした共同購入制度を堅持してまいります。
保険事業につきましては、特に貨物保険はオールリスク・ワンパッケージ型で、掛金が安くリーズナブルな保険として、多くの事業者の皆様からご好評を頂いているところです。全国トラック事業グル-プ保険につきましても加入者が順調に増加しており、上乗せ保障プランの医療保険とともに今後も一層加入しやすい保険を目指して制度充実を図り、福利厚生の充実による人材の定着など、人手不足対策の一助となるよう努めてまいります。
ドライバーの労働環境を改善するためには、物流DXについても、積極的に取り組んでいかなければなりません。スマートフォンを活用した商品とデータの連携による伝票のペーパーレス化などの実証事業を行い、物流DXの推進に取り組んでまいります。
今年の干支は「丙午(ひのえ・うま)」です。「丙」は太陽のように激しい情熱を、「午」は勝利を目指し駆け抜けるなど非常に力強いイメージを感じとることができます。この二つを掛け合わせると、全力で最大限の成長を目指していけば、それを成し遂げられる一年であると考えられます。業界を取巻く現下の厳しい環境の変化に、協同組合・連合会の相互扶助の精神のもとで、組織力で柔軟な心と知恵を持って、諸課題の克服に傾注してまいる所存です。
以上いくつか申し上げましたが、本年も日貨協連の副会長、理事、各委員会委員、会員の皆様並びに事務局とともに、全国の会員連合会、協同組合並びに組合員の皆様の事業が、今後ますます発展していきますようご祈念申し上げ、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

